Reliure

reliure | Les fragments de M

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本が現代のように製本された形で読者の手に渡るようになったのは、19世紀に版元製本が一般化して以降のことです。それまでの数世紀の間、ヨーロッパでは「仮綴じ本」や「未綴じ本」という本体だけの、厚表紙をもたない未製本の状態のものが流通していました。
また、文芸書を中心に、余白をたっぷり取り、オリジナル版画、著者のサインなどを入れたものは、特別な読者に向けた特装版として上質な紙に刷られ、限定番号入りで出版されることもありました。

工芸的なルリユールは、このような特別に作られる美しい本を装幀する技術として発展を遂げ、各時代のデザインの煌めきを纏った本は、愛書家の書棚で長く愛されてきました。熟練した手の技による、卓越した「一冊のための本作り」のエッセンスは、書物を愛する人々の美しい本への渇望を体現しつつ脈々と受け継がれ、ヨーロッパの伝統工芸という枠を越えて現代に伝えられています。

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