フランスと食・その2 ソースについて

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Nov 1
2015
Posted in blog, miracle world by Minako at 09:00 pm | No Comments »

早くも冬の訪れを感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
とてもご無沙汰しております!
秋はもう去ろうとしておりますが、食い下がって食欲の秋としてフランスと食について超個人的にお話します。

フランスに「帰郷」する時は必ず、製本学校時代の友人のお宅にお世話になります。
そして集まってくれた仲間たちとの挨拶もそこそこ、すぐに宴がはじまります。
ちなみに挨拶ですが、ビズと言って、ひとりひとりに両頬に音を立てて「チュッチュ」としていくので、例えば10人集まると20回のチュッチュがあり、軽くめまいがしてきますが、それと同時に「ああ、フランスに来たんだな」という気分になります。

a table

まずキンキンに冷やされたシャンパンがアペリティフとして用意されています。
そして友人宅でのアペリティフのお供は、エスカルゴかグジエールというアントレです。
どちらも私の大好物ですが、少し手間のかかるもののようです。
エスカルゴは大概中身のみが水煮のようなかたちで瓶詰めになって売られています。それを別売りの殻にひとつひとつ詰めなおして、ガーリックソースをかけてオーブンで焼きます。
エスカルゴ自体の味はあまりないと思うので、おいしさの決めて手はガーリックソースなのだと思います。(グジエールのことは別の機会にお話しいたします。)

ほろ酔い気分になってくると、いよいよ食事がスタートします。
ここ最近では、「コキーユ・サンジャックのクリームソース煮ライスとともに」とでも名付けましょうか、ほたてのクリームソース煮をいただきました。
新鮮なほたてでとってもおいしかったのですが、ソースがとっても濃厚です。
アントレのエスカルゴもそうですが、フランス人はソースに命をかけています。
それ故か、一滴も残すまじ、と、お皿に残ったソースは必ずパンでぬぐって食べます。
日本では行儀が悪い!となるのですが、フランスではその逆のように感じます。ソースをびちゃびちゃと残しておくほうが失礼かのような、とても綺麗な皿の拭いっぷりです。
最初は抵抗がありましたが、みんなの真似をしていくうちに、とても合理的だと気がつきました。
まず、しゃべりっぱなしで食事開始から時間が経ち、乾いてきたパンがソースとともに再びおいしくいただけるということ。
そして、お皿がきれいになるので、洗う時にギトギトしないということ。
そういえば日本のお坊さんだって、たくあんでお椀の中のお粥をさらって食べ切るではないか!と思わぬ共通点を見出したりもしたのでした。

そういうわけで、有無を言わさずグラスに注がれ続ける白ワインを飲みつつのクリームソースフィニッシュに胃もたれは確定していくのでした。


つづく・・・



  1. It‘s quite in here! Why not leave a response?




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