恐怖の試験(後編)

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Mar 20
2013
Posted in blog, miracle world by Minako at 01:08 pm | No Comments »

第11回

「恐怖の試験(後編)」

 

辞書の持ち込みも不可、日本語でも数学なんてチンプンカンプンなのに、よりによってフランス語で計算をしなくてはならないなんて・・・。そしてフランス語が国語で、フランス語を英語になおして・・・考えただけでも頭の中がぐちゃぐちゃになっていました。
でも、ここまできたらやるしかない!と諦め(決心し)、早速FNAC(フランスの書店兼CDショップ)に問題集を買いに行きました。
どれにしようかな・・・、と色々見るも、難しそうなものばかり。高望みするのはやめて、素直に小・中学生用のドリルを購入しました。
ルリユールは授業でやったことのおさらいをし、ドリュールは模擬試験で結構いい点数を取って先生に褒められたので、調子に乗ってそのまま本番を迎えました。

さて、本試験の日が来ました。
科目筆記試験の内容は正直あまり憶えていませんが、恐れていた数学よりも国語(フランス語)がかなり難しかったような気がします。
インタビューは、業界(?)で有名な1冊をお題として出され、それは誰がルリユールしたものなのか、使われている素材は何か、などを答えるものでした。
もちろん中世から現代まで何が出題されるかはわかりません。
私に出されたルリユールは、アールデコ装飾でお馴染の、ピエール・ルグラン(Pierre Legrain)のものでした。

デコールに用いられている素材のメインは革ですが、その他に何か表面がザラザラしたものが使われていました。
後にみんなで答え合わせをした時に、それはガルーシャ(galuchat)だったと判明しましたが、その時の私は「ザラザラした表面・・・爬虫類・・・トカゲだ!」と、なんちゃって三段論法で(間違った)答えを絞り出していました。
ただ、困ったことに「トカゲ」をフランス語で何と言うかわかりません。
しかし!ここまできて、無言で帰るわけにはいかないので、ダメもとで面接官に聞きました。

「あのー、フランス語で何と言うかわからないので、絵で描いてもいいですか?」

面接官はクスっと笑い、「もちろん、いいですよ。」と哀れなアジア人に情けをかけてくれました。

決して絵心があるわけではありませんでしたが、私が描いた絵がトカゲだということは理解してもらえたらしく、「ノンノン、マドモアゼール(注:イメージ)。残念ながら、使われている素材はトカゲではありません。」との返答。
世の中、そんなに上手くは行かないことを実感したのでした・・・。

他にも、連続されたドットは何の道具(答え:パレット)を使って押されているか、など質問された記憶があります。

結果としては、筆記科目は英語のおかげで、フランス語と数学の出来の悪さをカバーできたので、なんとかパス。
実技は「なかなか」で、インタビューは「ギリギリ」セーフ、でした。

まぁ、何点だろうが受かってしまえばこっちのもん(!)、ということで、紆余曲折な試験の一部始終でした。

 

つづく・・・。



  1. It‘s quite in here! Why not leave a response?




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